■船橋の農家と豊かな農地をまもる
私は、日本の農業が心配でなりません。千葉県の梨が、そして、船橋のネギが衰退してしまうのではないか、日本の財産である豊かな農地が荒れ果ててしまうのではないかと危惧しています。
千葉県の梨は現在、日本一の生産量を誇っており、ネギの粗生産額も日本一ですが、昨年4月、国により、一般セーフガードの暫定措置が発動される事態になっています。近年、ネギの輸入量が急増しているためで、平成12年の統計によれば、37,400トンが輸入されています。これは、5年前の25倍、国内第3位の茨城県の生産量とほぼ同じで、驚くべき数字であり、危機的な事態とも捉える事が出来ます。
一般的にものの価値は需要と供給のバランスにより決定されますが、成果市場ではよりシビアに価格の決定がなされます。「入荷が1割減ると高値安定、5%増で暴落」と言われるほどで、ネギの国内価格は過去最低を記録しており、ネギ農家の経営を圧迫する事態を招いています。
一方、千葉県の梨の生産環境も厳しい状況に追い込まれつつあります。県内産地の70%が船橋市をはじめ東葛、印旛地域に立地しているためで、さらに、近年の果実への消費者ニーズが少量多品目へシフトしている現状を積極的に先取りする必要に迫られているためです。
私は、このような農業を取り巻く現状を勉強するにつけ、心配でなりません。私も大学を卒業後、家業である農業に5年間従事しました。生産の喜びと消費者の笑顔は、農家にとってかけがえの無いものですが、経営の安定が大前提である事は言うまでもありません。生産者である農家を守るために、今こそ、国の、そして、千葉県の一時凌ぎでない農業支援が必要であると考えます。
千葉県では、輸入ネギに負けない産地づくりを目指して、昨年5月に設置した「ネギ生産流通対策検討会」において産地強化策をまとめました。
機械化すすめ生産コストを低減、
産地リレーによる周年出荷体制の促進、
繰り返し利用出来る出荷容器の再生による流通コストの低減、
とするものです。
また、農業総合開発センターにおいてもネギの出荷作業の大幅省力化を目指し、全自動調整機の開発や食味の良いネギを生産するための技術開発などに取り組んでいます。
同様に、「千葉県果樹農業進行計画」により「味が自慢の千葉のナシ」をキャッチフレーズにナシの産地整備を進めています。
ともに、私の県議会での質問に農林部長が答えたもので、千葉県が広く県民に約束したものとも言えます。
船橋市内1,355戸、3,996人の農家の経営安定を図り、あわせて、広く県民共有の財産とも言える1,290haの農地を後世に引き継ぎたいと考えるものです
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