議会活動・活動報告バックナンバー

[2003年9月号]

■犯罪防止に共同体意識を

 昨年1年間に本県で発生した刑法犯の総数は、16万8千件を超え、過去最高を記録したということです。また、殺人事件などの凶悪な犯罪が発生した場合に設置される捜査本部の件数も、過去最高であったと聞いています。
 かつては、治安の良さは日本の文化とまで言われておりましたが、近年は、家庭、地域社会の変貌、長引く不況と高い失業率による生活不安の拡大、さらには、不法滞在外国人の増加といった構造的な要因によって、治安は悪化の一途を辿っていると聞いています。

 私は、県民が安心して暮らせる社会を一日も早く実現するためには、増え続ける犯罪を防止し、発生そのものを減少させていくことが、何よりも重要だと考えております。
 県警では、犯罪の多発している主要な警察署に、特別警察隊と特別警ら隊を新設したほか、機動隊を常駐派遣するなど、警察独自の新たな対策を講じて、犯罪の防止と検挙に向けて懸命に取り組んでいることは承知しておりますし、その活躍にも期待しているところです。しかしながら、治安の回復は、警察のみで行い得るものではなく、地域住民の協力があってこそ期待できるものと考えております。

 先般、AERAという雑誌に「スイスに学ぶ連帯感」と称したコラムがありました。著者は、前警察庁長官、前スイス大使の国松孝次氏で、内容を要約致しますと、スイスが良い治安を保っているのは、ひとえに国民の共同体意識であり、「自守の精神」があるからです。日本の警察力が落ちたのは、民衆の協力がなくなったからです。日本も昔は、お互いに声をかけ合うような生き生きとした地域社会がありました。だからこそ、警察活動も有効に機能したのです。というものでした。
 地域住民の連帯意識の希薄化が叫ばれて久しいところですが、これが更に進むことになれば、警察活動による犯人検挙が低調に陥るばかりでなく、地域社会そのものの犯罪防止機能が低下することが懸念されるところです。したがって、犯罪防止を図るために、隣近所や町会自治会など地域共同体意識を醸成していく必要があると考えます。市民の皆様のご理解とご協力を、お願い致します。
西尾憲一の願い 個人の尊厳・人格の尊重ということを考え方の根本にすえて、高齢者や障害者などの社会的弱者にも配慮した自由主義社会の実現、千葉県の発展、船橋市民の幸せのために全力を尽くします。