議会活動・活動報告バックナンバー

[2003年12月号]

■人権施策の推進を

 「人権の世紀」といわれる21世紀を迎え、誰もが個人として尊重される社会づくりが求められています。
 いまさら言うまでもなく、人権は、誰もが生まれながらに持っている、誰からも犯されることのない基本的な権利です。
 しかしながら、現実には、夫・パートナーやストーカー等による女性に対する暴力、家庭内・施設内における児童・障害者・高齢者の虐待、学校における体罰・いじめ等の問題、さらに、女性・高齢者・障害者等に対する雇用における差別的取扱いなど様々な人権侵害が深刻化している状況にあります。
 さらに、国際化、少子高齢化、情報化など社会経済環境の変化を背景として、人権侵害の内容も複雑・多様化し、インターネットの掲示板を利用した差別表現の流布など新たな問題も生じています。

 このように人権に関わる課題については、県民生活のあらゆる分野の様々な場面で発生していますが、あらゆる人権侵害や差別、偏見といった人権問題に全庁挙げて部局横断的に取組むとともに、市町村、NPO等の民間団体、地域社会との連携・協働により対処する必要があると考えます。
 そして、様々な人権侵害の中でも、児童への虐待問題ほど痛ましいものはありません。児童虐待は抵抗するすべのない子どもの心と身体を傷つけ、ときには命すら脅かすものです。

 平成12年11月に児童虐待防止法が施行されて3年余りが経過しましたが、依然として虐待についてのニュースが後を絶ちません。
 県児童相談所における児童虐待の相談処理件数は、平成14年度において654件と依然として高水準であり、虐待を理由に児童養護施設へ入所する子どもも増加しています。
 児童擁護施設には、虐待を受けた子どもをはじめ様々な問題を抱える子ども達が数多く入所しています。施設内において、体罰その他子どもの権利を侵害するようなことは、絶対起きてはいけません。
 また、社会福祉施設においても、数年前に入所者への虐待が問題になったことがあります。
 さらに、最近、社会福祉施設の経営についての問題が新聞で報道されたところですが、このことは入所者へのサービスの低下につながり、虐待や体罰への誘引となることが懸念されるところです。入所している児童・障害者・高齢者へのサービスの質に十分配慮した監査を強力に行う必要があり、今後も担当課に強く働きかけて参りたいと思います。