議会活動・活動報告バックナンバー

[2004年3月号]

■少年達を犯罪から守る対策を

 近年は、家庭・地域社会の変貌、長引く不況、不法滞在外国人の増加といった構造的な要因によって、治安は悪化の一途を辿っていると言われております。
 そうした状況にあって、昨年1年間に本県で発生した刑法犯の総数をみますと、約16万4千件で、過去最高を記録した平成14年に比べますと約4,000件減少し、増加傾向にあった犯罪の発生に7年ぶりに歯止めがかかったことです。
 私は、常々、県民が安心して暮らせる社会を1日も早く実現するためには、増え続ける犯罪を防止し、発生そのものを減少させていくことが、何よりも重要だと考えております。
 そうした意味合いからも、このような良い結果になりましたことは、一県民として、大変喜ばしく思いますし、また、本年も官・民が一体となって、実効のある様々な取組みが行われることを大いに期待するところです。

 しかしながら、諸手を挙げて喜んでばかりいる訳にもいかない状況が窺えるところです。それは、少年が被害者となる略取誘拐、いわゆる連れ去り事件や殺人、強盗、監禁などの犯罪が全国的に頻発しているということです。
 本県におきましても、柏市内での女子中学生の誘拐事件や市川市内での都内私立高校1年生の女子生徒の監禁事件などが発生している外、少年被害の殺人、強盗、恐喝などの事件が発生していると聞いております。極めて残念でなりません。

 先般、新聞記事で見たのですが、犯罪心理学を専攻する某大学教授が、略取誘拐事件の犯人の心理について分析されておりました。
 その内容を要約しますと、「事件の報道を見て、自分ならもっとうまくやれる。誰でもできる。といったゲーム感覚になっている。」というものでした。このような感覚は、略取誘拐事件の犯人ばかりでなく、他の事件の犯人についても同様ではないかと、私は考える訳です。
 然したる動機もなく短絡的に犯行に及ぶ者が後を絶たないとすれば、今後も同様の事件の発生が十分予想されるところです。

 少年達は、成長期にあり、極めて多感です。犯罪に遭遇したために、明るさを失ったり、不登校など、閉鎖的になったりする少年もおり、犯罪による直接被害ばかりでなく精神的な被害をも受けているのです。また、こうした被害少年のご家族につきましてもやり場のない日々を過ごされているのではないでしょうか。
 犯罪の被害に遭った19歳以下の少年達につきましては、幼児、学生あるいは有職少年など、広範であると聞いておりますが、昨今の犯罪情勢を鑑みれば、これらの少年達を犯罪から守るための少年各層に応じた諸対策を講じることは、極めて大切です。
 次の世代を担う少年達を犯罪から守るための諸施策を積極的に推進していくよう求めて参りたいと思います。