議会活動・活動報告バックナンバー

[2004年5月号]

■「朝の読書」運動の推進を

 今日、子どもを取り巻く生活環境は大きく変化しており、「活字離れ」「読書離れ」が指摘されています。
 事実、電車に乗ってみますと、読書をしている子どもよりも、携帯電話でゲームをしたり、メールをうっている子どもや大人が多く見かけられます。
 また、全国図書館協議会が行った調査によりますと、一ヵ月に一冊も本を読まない子どもの割合は、小学生で、9パーセント、中学生では、32パーセントもあります。
 国は、平成13年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」を公布・施行し、翌14年、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定しました。これは、子どもの読書活動推進に関する計画を国、都道府県、市町村がそれぞれの状況に応じて作り、その計画に基づいて様々な取り組みを行うことで、子どもの読書環境を整備していこうという趣旨のものです。

 本県も、昨年3月に「千葉県子どもの読書活動推進計画」を策定し、おおむね5ヵ年にわたって事業展開していく予定となっています。
 その中には、色々な計画があると思いますが、すぐに学校でできる読書活動として「朝の読書」があります。この読書活動は、船橋市にあります東葉高校の大塚笑子先生が16年前に提唱者となり実践されたもので、全国的に広がりつつあり、その成果もかなり上がっていると聞いています。
 先の2月県議会での私の質問に対して教育長は、「朝の読書」については、小学校で71.4パーセント、中学校では63.2パーセントの学校で実施しており、その成果については、読書習慣がつき読書量が増えた、遅刻者が減り学校が落ち着いた、継続することの大切さを児童生徒教師が実感できたなどの報告を受けていること。また、読書活動は、児童生徒の心を豊かにし、健やかな成長にとって大変重要であり、学習活動の基礎・基本である「国語力」の向上にもつながる活動であると答えています。

 「朝の読書」の成果については、この他にも、大塚先生によりますと、いじめや不登校が減ったという意外な効果もあるとのことですので、今後とも大いに推進していただきたいと考えます。また、高等学校の実施率が低いとのことですが、小中学校と同様な成果が期待できると思われますので、高校への普及にも力を入れるよう働きかけて参りたいと考えます。