議会活動・活動報告バックナンバー

[2004年10月号]

森を守る環境税(500円)反対ですか

夏の猛暑は地球温暖化が一因
 今年の夏は、大変な暑さが続いた上に集中豪雨による洪水で大きな被害も相次ぎました。東京では、7月6日から40日連続して最高気温が30度以上の真夏日を記録し、7月20日の39.5度は東京での観測史上最も高い気温となり、足立区では何と42.7度まで気温が上昇しました。また、年間真夏日も69日と記録を更新しています。
 温暖化の影響は日本だけではありません。一昨年の夏チェコやオーストリアなどでは大洪水により60万人が被災し80人以上が亡くなり、昨年の夏フランスでは熱波によって高齢者を中心に2万人以上が亡くなっています。
 「地球温暖化こそが、いまや大量破壊兵器だ」の言葉どおり、早急にしかも真剣に対策を講じなければ人類の生存の脅威となります。EU欧州連合環境庁は、京都議定書を率先して履行するだけでなく、追加措置を緊急に検討すべきだと提言しています。また、イギリスのブレア首相は、温暖化を来年開催するサミットの最重要課題とすることを表明しています。アメリカ国防総省は、異常気象の脅威はテロの比ではないとまで警告しています。
 地球の年間平均気温は過去100年で0.7度上昇したが、東京は3.0度上がったといわれます。東大などの合同チームがまとめたところでは、20世紀中は50日程度だった真夏日が、50年後では温暖化の影響で100日を超えると予想され、今世紀末には気温が3.0度から4.2度上昇し真夏日も140日前後まで増加すると予測しています。

森林の保全と森の保存を
 今年の異常とも言える暑さの原因には二つあります。一つは、これまで述べた地球温暖化であり、もう一つは、ヒートアイランド現象です。これらの原因に対処する有効な方策の一つとして森林の保全と森の保存があります。私は、昨年の9月議会で森林の果たしている多様な公益的機能の重要性に鑑み、林業の衰退などで荒廃した森林の保全と開発により消滅しつつある森の保存を目的として森林環境税(一家に年500円)の導入を提案致しました。また、今年2月の予算特別委員会においても、我が党の石井裕議員が同様の質問を行っております。
 これに対して、執行部は、税財政研究会から環境の視点立った税の検討を提言されたところなので、千葉県の状況にあった環境の視点に立った税について幅広く議論を進めていきたいと答えています。
 言うまでもなく森林や森は、木材の生産や水源の涵養だけでなく幅広い機能を有しています。温暖化の原因である二酸化炭素を吸収して酸素を供給します。水分を葉から排出する蒸散作用があり、周辺土壌からの水分蒸発も加わって気温を下げます。植物は大気汚染を緩和するほか、虫や鳥も呼び寄せます。森林から出る養分によって海が豊かとなり魚も増えます。殺風景な都会では美しい景観や癒しといった効果もあります。林野庁では、来年度から森林浴が身体に与える癒し効果に着目して森林療法として確立させ、地域振興に取組むことを決めております。都市部では、都市公園に準ずる機能も有し、防火や災害時の避難場所としての役割も果たします。

森林環境税の導入を
 そして、東葛飾地域など都市部では、今開発などにより緑が急速に失われており、森の保存を望む声が強まっています。その財源としても森林環境税は必要です。購入された森は、県民の財産として半永久的に残ることになります。環境省は昨年夏、温暖化対策税の名称で石油など化石燃料へ課税する案を公表し、マイカーを持つ平均的な家庭の税負担は年間約5,500円になるとしています。森林環境税は、その1割にも満たない500円であり、県民に決して大きな負担を強いるものではありません。県民レベルで温暖化や環境問題の意識を高めることにもなります。
 社会共通の財産として、社会全体の責任で森を造り、守っていくべきであると考えますが、県民の皆様は森林環境税の導入について反対でしょうか。お考えをお聞かせ頂ければ幸いです。