議会活動・活動報告バックナンバー

[2005年4月号]

ホームレスの自立支援を

 景気回復、デフレからの脱却という声も聞こえていますが、長期にわたって厳しい経済・雇用情勢が続く中、ホームレスとなることを余儀なくされる方々が増えています。

 厚生労働省のまとめによりますと、平成13年9月に全国で24,090人だったホームレスは、1年半後の平成15年3月の報告では1,200人余り増えて、25,296人となりました。千葉県でも、同じ時期に594人から668人に増加し、全国で8番目に多いという結果でありました。
 健康で文化的な生活とは縁遠いホームレスにとって、寒風吹きすさぶ冬の季節は、いのちにもかかわる特に厳しい時季です。寒さと栄養不足から凍死に至る方もおられ、誠に哀惜の念を禁じえないものがあります。また、千葉市内の公園でホームレスの二人の男性が若者から集団暴行を受けて亡くなられた平成14年8月の事件に象徴されるように、ホームレスはしばしば偏見・いじめの対象にもされがちです。一方で、一部の市ではホームレスの増加に伴う生活保護費などの負担の増大に直面しているとも聞いています。
 こうしたことから、平成14年、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定されました。法律では、国は「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」を策定し、地方公共団体は必要に応じてホームレス自立支援計画を策定することとされています。
 千葉県におきましては、健康福祉千葉方式に基づいて、現場でホームレスの支援をしている方々などによる「ホームレスの自立支援に関する研究会」を昨年5月に立ち上げて、ホームレスの自立支援計画づくりを進め、このほど策定されたところです。
 県内では、一部の市において、行政と民間のボランティア団体との協同で自立支援が行われていますが、全県的には必ずしも活発であるとは言いがたいように見受けられます。
 今般策定された計画により、ホームレスの自立支援が進むことを切に願うものですが、そのためには、民間ボランティアなどと手を携えていくことが必要だと考えます。

 政治の使命は、国を守り治安を維持するだけでなく、すべての人に人間らしい生活を保障するところにあります(憲法25条)。ホームレス自立支援計画の確実な実行を県にたいして求めて参りたいと思います。