議会活動・活動報告バックナンバー

[2005年6月号]

木質バイオマスの有効活用について

 二酸化炭素の排出削減を進めて地球温暖化防止にも貢献し、これからの資源循環社会の形成にとっても重要な資源になるとされるバイオマスの利活用については、産学官を挙げてさまざまな利用技術の開発や事業化への取り組みが進められています。

 千葉県では全国に先がけて、平成15年5月に「バイオマス立県ちば推進方針」を策定しました。
 この方針で、「ハイテク」、「アグリ」、「ウッド」、「フラワー」といった4タイプのバイオマスタウンの構築を目指し、2010年までにバイオマスタウンの中核となる施設を10ヶ所程度構築するとしておりますが、特に木質バイオマスを地域において循環利用していくウッドバイオマスタウンづくりに大変関心のあるところです。
 建設廃材として各地で大量に発生している「廃木材」については、エコタウン事業として木更津市内に建設された「再生ボード製造施設」や、現在県内でも計画が進められていると聞いている「バイオマス発電プラント」の建設などによって、集中的な利用が図られていくものと考えられます。
 その一方で、建設廃材などの木質廃棄物とは異なり、質的にも良好なバイオマスである「製材残材」や公園、果樹園などの「せん定枝」といった県内各地から発生している良質な木質バイオマスは、地域での有効な利活用が期待できる資源であると考えます。
 このような良質の「木質バイオマス」を地域利用できる新たな汎用技術の導入や資源循環システムづくりが必要であると考えます。
 実際、例えば船橋や白井、鎌ヶ谷、市川、松戸など東葛飾地方では、梨の生産が盛んなわけですが、2月にせん定した枝の処理に困っています。せん定枝を乾燥させ畑で焼却して直ちに肥料として畑に還元できれば良いのですが、周囲には住宅が多くて燃やすと苦情が来てそれもできず、また廃棄物処理法との関係で野焼きは禁止されているようです。そのため、市の焼却施設で、費用を払って処理している農家も少なくありません。農家に過度の負担をかけ資源の有効利用にももとることですので、早急に対策が求められます。

 今、県では炭化処理による高度利用の実用化を図る実証実験を行っております。処理技術が1日も早く完成することを期待すると同時に、東葛飾地方にも処理施設が建設されるように誘致に努力して参りたいと思います。