議会活動・活動報告バックナンバー

[2006年3月号]

遊休農地の活用を

 最近の農業に関する新聞等の報道を見ますと、毎日のように定年帰農への対応、農村環境の保全活動、さらには遊休農地の活用などといった地域の取り組みに関する記事や映像が目につきます。
 食料生産の場というイメージの強かった農業・農村に対して、昨今は生産のみならず、農業体験活動や心のふるさととしての原風景に接することによる癒し効果、さらには農業に関わりながら暮らそうという人など、かつてないほど農業・農村への期待が高まっていることの表れでもありましょう。
 このような状況の中で、限りある農地でありながら「遊休農地」とはもったいないと思うのは私だけでしょうか。聞くところによると本県でも、遊休農地は約17,000ヘクタールもあり、年々増加傾向にあるとの事です。
 農地を活用したいという人がいる一方で、農村現場では遊休農地が増えている。これはまさにミスマッチで、もったいないということになるわけです。
 千葉県は、ご承知のとおり全国でも有数の農業県です。遊休農地については、先ず第一義的には本来の農業生産に利用するよう従来からの担い手への集積を進めることにより解消していくことが基本ではありますが、これからは農業者のみならず、都市住民などの多様な人々の参加も踏まえた活用方策を考えていくことも重要であると思います。
 遊休農地の増加は農業生産力の減退はもとより、こみの不法投棄や病害虫発生の温床となり、周辺農地に大きな被害を与える恐れもあります。さらには、美しい農村景観を損なう要因ともなるなど、様々な影響が懸念されます。
 現在、地域においては農家の高齢化や担い手の不足が大きな課題となっており、この遊休農地の問題はさらに深刻化していくことが予想されます。
 これまで、県では様々な遊休農地対策を講じてきたと伺っていおりますが、これ以上の遊休農地の増加傾向に歯止めをかけるためには、農法生産の向上と農村の活性化の視点を踏また幅広い視点に立った遊休農地の解消対策を積極的に進める必要があると考えます。