議会活動・活動報告バックナンバー

[2006年4月号]

「早寝・早起き・朝ごはん」運動を

 3月議会の本会議で一般質問を行う関係で、睡眠について多少勉強致しました。人には1日2回、午前4時前後と午後2時前後とに生理的に眠気が強くなる時間帯があるとのことです。
 午後2時前後の眠気については、昼食のために眠くなると考えている方も多いかもしれませんが、、昼食をとらなくても、この時間帯には眠気が生ずるそうです。様々な事故や作業ミスもこの時間帯に多く発生しています。実りある会議をしようとするならば、午後2時前後の時間帯は避けた方がよいそうです。
 子どもの発育にとって、食事も運動も大切なことは言うまでもなく、これまでも多くの議員が取り上げ私も質問してきたところです。しかし、眠り、睡眠については取り上げられたことは殆どありませんが、充分な睡眠時間と睡眠時間帯を確保することは、子どもの心と体、脳の健康上からも劣らず重要です。
 人は周期24時間の地球で生活しており、朝陽を浴び、昼間活動し、夜にゆっくり休む時に、その能力を最大限に発揮できる動物であると言われております。
 しかし、現状はと言うと、この基本的なことを忘れて、大人も子どもも夜更かし、睡眠不足がますます進行しています。日本の子どもたちは、世界で一番夜更かしであるとも言われます。その結果、世界で一番睡眠時間が少ないそうです。
 夜更かしが子どもたちの心と体、脳に取り返しのつかない大きな危害を、今現在加え続けてていることに、もっと注意を向ける必要があります。
 明るい夜にさらされ、夜更かしで、慢性時差ボケで、睡眠不足に陥った子どもたちは、血圧が上がり、肥満になりやすい。さらに、糖代謝、脂質代謝、免疫機能を低下させ、将来の発ガン、老化を促進され、脳内ホルモンに異常をきたし、性的に早熟になる。また、彼らの学力は低下し、きちんとしていることができず、ちょっとしたことが思い出せず、頭がぼんやりし、イライラし、物事に熱心になれず、考えがまとまらず、することに間違いが多くなり、物事が気にかかり気分が落ち込みがちで、怒りやすく、キレやすい。目が疲れ、肩がこり、腰も痛む等々の結果が調査研究によって明らかになりつつあります。
 子どもたちが健やかに眠ることができる環境を整えることが急がれます。それには、朝早く起きてしっかり朝陽を浴びることが必要です。そして、朝きちんと朝食を取ることも生体リズムを確立するうえで重要な要素です。
 まずは早起きして、悪循環(夜更かし→朝寝坊→慢性の時差ぼけ→眠れない)を断ち切る必要があります。
 キレる子の問題や生活習慣病、あるいはニートや引きこもり、慢性疲労症候群など、すべて夜更かしや睡眠不足、朝食欠食だけで説明できる訳ではありません。その発生に様々な要因が複雑に絡んでいることは承知致しておりますが、夜更かし等も一つの大きな要因であることだけは確かです。
 百ます計算の実践などで有名な広島県尾道市立土堂小学校校長の陰山英男先生も、夜型になった子どもたちの生活改善こそ何より必要だとして、「早寝、早起き、朝ごはん」を提唱しています。
 千葉県並びに教育委員会としても、「早寝、早起き、朝ごはん運動」について、親や関係者に取り組むよう働きかけるべきであると考えます。