議会活動・活動報告バックナンバー

[2007年8月号]

バイオ燃料について

 喫緊の課題となっております「地球温暖化の問題」ですが、その対策を図る上で、バイオマスの利活用は、有効な方策のひとつです。
 世界的に見ても、CO2排出量がゼロカウントされるバイオ燃料への注目度は、非常に高まっています。

 特に、アメリカとブラジルにおけるバイオエタノール生産量は突出しており、世界の生産量の7割をこの2国が占めている状況にあります。
 これに対して、わが国では、E3(バイオエタノール混合率3%)の実証実験が行われているほか、石油連盟によるガソリンにバイオエタノールを加工した添加物「ETBE」を混入した「バイオガソリン」を、首都圏で販売するという実証事業がこの4月から始まったという段階です。

 今後、CO2排出量を削減していく上で、特に、家庭から排出されるCO2の3分の1を占める自動車からの排出量を減らしていくことが必要であり、バイオエタノールの導入は有効であると考えます。

 植物などのバイオマスは、太陽のエネルギーを使って生物が合成したものであり、生命と太陽がある限り、枯渇しない資源です。

 石油などの天然資源保護のためにも、バイオマスの有効活用のひとつとして、バイオエタノールを作り、利用していくことが、温暖化防止に地域から貢献するものと考えています。したがって、県としても、バイオエタノールについて、積極的に取り組んでいくべきであると考えます。

 次に、現在、バイオエタノールの原料は、サトウキビやトウモロコシが主流であり、世界的に食料や飼料の高騰につながっています。また、今、この地球上で多くの人々が飢えに苦しんでいます。本来、食料に回すべき物を、車を動かすことに使ってよいのかという根本的な問題もあります。こうしたことから、食料などに影響を与えない方法でバイオエタノールを作るべきであると考えます。

 大阪府堺市では、建設廃木材等を原料とした燃料用エタノールの実証事業が、環境省の補助を受けて進められています。関東では、本県が廃木材等を活用したバイオエタノールの実証事業や実用化プラントを誘致できるように努力すべきです。

 バイオ起源のエネルギー(緑のエネルギー)製造業は、巨大産業として発展する。我が国のエネルギー使用料の10%を緑のエネルギーに転換するだけで、経済波及効果は、13兆円にもなり、この場合、雇用創出効果は100万人も見込めると言われます。是非、千葉県が乗り遅れることのないようにすべきであると考えます。