議会活動・活動報告バックナンバー

[2008年5月号]

「フードマイレージ」の視点を

  先日、近所のスーパーマーケットへ行ったところ、全国のありとあらゆる産地の農産物が、所狭しと陳列されていました。

 大根一つを例にとっても、千葉県産、神奈川県産、静岡県産といった関東近県産のものだけではなく、遠く四国の徳島県産のものまでありました。

 このように、近年は、道路交通網の整備に伴う時間距離の短縮や、流通業者の24時間対応などにより、全国各地の農産物が、文字どおり全国津々浦々で販売・消費されているのが現状です。

 現在、県では、農業産出額全国第2位奪還に向け「部門別緊急戦略」を策定し、県産農産物の消費拡大にさらに努力されていると聞いており、従来から進めている「千産千消」、「千産全消」運動をより一層強力に推進する覚悟だと認識しております。

 私も、石川県金沢市で5年間農業に従事し、田んぼで米を、畑で葉たばこと大根を生産していたことがあり、県内農家の方々が精魂こめて生産された農産物が、全国各地で消費されることについて、大変嬉しく、誇りに思っているところです。

 しかしながら、このような農産物の流通形態を環境の観点から見ますと、輸送距離の長い遠くで採れたものよりも、輸送距離の短い近くで採れた農産物のほうが、当然ながら輸送の際に発生する二酸化炭素が少ないため、このような農産物を購入することによって、輸送の際の二酸化炭素排出量を減らし、地球温暖化の防止に寄与しようという、「フードマイレージ」、直訳は「食料輸送距離」の考え方があります。

 これは、普段、私たちが何気なく消費している食品について、店頭に陳列されるまでに、どれだけ環境に負荷を与えているのかという視点に気付いていただき、輸送距離の短い農産物を購入することにより、二酸化炭素排出量の削減に寄与することができるという、私たちが身近に取り組める方策の一つとして、近年注目されていることです。

 我が千葉県は、600万県民を抱えるとともに、大消費地である東京に隣接しており、この「フードマイレージ」を実践するに当たっては、非常に恵まれた立地条件にあるといえます。

 私は、農産物の販売促進、消費拡大に当たり、「千葉県産は輸送距離が短く、環境にやさしい農産物である」ということを強調してPRすることにより、千葉県産の農産物のより一層の販売促進につながるとともに、地球温暖化防止対策にも役立つのではないかと考えます。