議会活動・活動報告バックナンバー

[2009年3月号]

健康な高齢者づくりと高齢者の楽園づくり

 千葉県が昨年実施した県民意識調査によると、力を入れてほしい施策は、高齢者の福祉充実が1位で、災害から県民を守る、医療サービス体制の整備と続いています。多くの県民が、安心して暮らせる高齢者対策を望んでいることが分かります。そこで、2つの提案を行いたいと思います。

 一つは、健康な高齢者づくり事業です。高齢者が増え続け、それに伴って医療費も増大する一方ですが、私は、健康で元気な高齢者が増えれば医療費は抑制できると考えます。アメリカでは、1990年から、国を挙げて始めた「ヘルシーピープル2000」という国家プロジェクトが大きな成果を上げています。

 健康な高齢者づくりは、医療費の抑制に効果があるだけではありません。高齢者が、健康で豊かな生活を送れば、衣・食・住・遊等で消費活動が活発になり、昨年9月のサブプライムショックから始まったわが国の不景気を回復させることにもつながると考えます。

 高齢者の多くは、自宅に暮らしています。そこで、県と市町村が協力して、県や市町村の施設を利用して各地にシニアセンターを設置し、スポーツなどを通じて体力アップを助けたりすることで、脳卒中や心臓病の予防に取り組むようにする。日本の寝たきり老人は200万人とも言われますが、数年後には介護を必要とする高齢者と、その予備軍は着実に減っていくものと考えられます。

 いま一つは、高齢者の楽園づくり事業です。昨年来の不況の大きな要因は、北米輸出に依存してきた自動車や電気製品等の輸出産業の不振といわれます。そこで、内需拡大が叫ばれております。私は、県内経済を活性化するために、環境や高度医療等新しい産業の集積、企業の誘致、雇用の確保等を積極的に推進する必要があると考えております。

 同時に、本県の特性、強みを活かした政策も必要であると考えます。経営コンサルタントの大前研一氏は、沖縄県の振興策について述べていますが、同様なことは本県とりわけ南房総についてもあてはまると考えます。温暖で冬も過ごしやすい気候や東京に近い立地を生かし、退職者やお年寄りが安心して過ごせる介護や保養地(アクティブシニアタウン)づくりを、民間の力を活用して行いたいと考えます。

 長期的に需要が見込める介護分野は、人手不足と低賃金が都市部でネックになっており、地方の方が向いている。日本には1500兆円もの個人金融資産があり、この資金が市場に出てくるよう新しい需要を生み出す発想や視点こそが21世紀の不況対策だと大前氏は述べています。千葉県としても、人とお金を呼び込め発展につながる、高齢者の楽園づくりに力を入れていくべきであると考えます。