議会活動・活動報告バックナンバー

[2010年9月号]

高速道路無料化の見直しを

 高速道路の無料化は、6月28日から、本年度1千億円を使って、37路線50区間を対象に社会実験の形でスタート。来年度は、概算要求1500億円が認められても、新たに無料化できる路線はわずかです。

 昨年の衆院選後の世論調査でも、高速道路無料化に賛成は20%程度と少なく、反対が65%程度という結果でした。民主党の中にも前原国交大臣のように、受益者負担で債務負担を返済していく仕組みを壊すのは良くないとして、無料化に反対であることを明言している政治家もいます。自民党や社民党なども、高速道路に税金を投入することは、様々な問題があり過ぎるとしています。

 民主党の政策集では、無料化の目的・効果として、生活コスト・企業活動コストの引き下げ、地域活性化、温暖化対策、ムダ使いの根絶等が挙げられていますが、逆の結果も出ています。特に問題なのは、引き下げられた筈のコスト=料金は、姿を変えて広く高速道路を利用しない国民にも、税金として降りかかってくることです。厳しい財政事情の下では、貴重な税金はもっと有効な政策に充てるべきです。

 民主党の政策大綱では、保有機構の債務35兆円を国が引き継ぎ、毎年1.26兆円ずつ60年間にわたって返済する計画です。補修費などの維持費については説明がなく、少なく見積もっても5千億円必要と言われます。昨年の総選挙での政権交代は、民主党の政策が支持されたというよりも、長年の自民党政権への不満や飽きが原因と思われます。その証拠に、民主党の看板政策である子ども手当や戸別所得補償制度についても、国民の反対の声の方が多い。ガソリンの暫定税率の廃止を言いながら維持したのだから、民主党は政策の見直しをすべきです。

 ところで、高速道路については、この千葉県内において国道357号線の船橋間や京葉道路の穴川付近等の渋滞解消のため、第二東京湾岸道路建設構想があります。

 三番瀬については、埋め立ての白紙撤回から何も進んでいませんが、貴重な千葉の自然を残すシンボルとしてラムサール条約登録を目指すべきであると考えます。私は、いずれラムラール条約に登録をすべきと考えておりましたが、直ちに行うことについては、第二湾岸道路がネックになっておりました。

 しかしながら、第二湾岸道路については、国や県の財政状況、未だに構想にと止まっており計画にもなっていないこと、千葉県では2015年から人口が減っていくと予測されていること、そして、一昨年の秋以来の世界同時不況を考えたとき、そろそろ見切りをつける時が来たのではなかろうかと考えております。

 そして、私は第二湾岸道路に代わるものとして、湾岸バイパスを提唱したいと思っています。外環道路が4年後完成予定ですが、それと県道千葉船橋海浜線(タクシー運転手の仲間では、この道路が第二湾岸道路と呼ばれているそうです)を結び、館山道路の市原インターと繋ぐものです。この道路は三番瀬を通りませんので、ラムサール条約登録の障害にならないわけです。あとは、漁業者の同意が得られれば済むこととなります。